月見は奈良時代に始まり、平安時代に成立したと言われてます。もともと、この伝統は中国の唐王朝の十五夜の月見の習慣を起源とするもので、日本の貴族たちは音楽や和歌、舟遊びなど優美な時間を過ごしながら、水面に映る月を眺め、季節の移り変わりを楽しんだことがはじまりともされています。江戸時代になると、月見が一般の人々の間でも親しまれるようになり、収穫の時期でもあることから感謝祭の意味合いも強くなっていきました。1600年後半以降、この祭事は9月に開催され、陰暦の満月の15夜とし、月見の行事が行われるようになりました。
最近では、月見は季節の供物や稲の収穫を祝う意味合いが強くなり、それらを象徴した供物や季節の草花であるススキなどを飾りつけ、月見団子を備える風習となりました。人々が集まって祝宴を行う。さらに、月見には月見団子や餅といった特別な食べ物も象徴されるようになりました。これは、満月の中に浮かぶ影が、まるでウサギが餅をついているような姿にみえることからはじまったともされている。いずれにせよ、季節の移り変わりに人々の健康と幸運を祝う行事としても慣習は、今でも親しまれています。